●ムーンクラフトがポールポジション獲得 3月初め、岡山において西日本シリーズの開幕戦が行われました。しかし、激しい雨の中で決勝レースが行われたことから、スタート直後、彼方此方でアクシデントが発生したため、少々予想と違った内容となってしまいました。 それから約2ヶ月、5月13日、鈴鹿サーキット東コースにおいて西日本シリーズ第2戦が開催されました。この2ヶ月の間に東日本シリーズも開幕する一方、開幕戦の際、準備が整わなかったチームも居たため、本当の戦力分布を知る最初のレースとなりました。
ところが、ゴールデンウィークの頃から日本各地で大きく気圧が不安定な状況となったため、レースウィークに入った鈴鹿は強い風に悩まされることとなりました。F4は前後のウイングによって安定性を高めているため、大きな影響を受けることとなりました。 特に土曜日には山側から強い風が吹いたため、ホームストレートでは約5km/hも最高速度が速くなる一方、コーナーリング中、彼方此方でダウンフォースが抜け、クルマによってはまっすぐ走ることさせ難しい現象に悩まされることとなりました。
今回のレースは東コースで行われるため、1周のラップタイムはせいぜい49秒程度です。大きな耐久性を持つダンロップタイヤは20分間の予選時間の総てを走行可能であるため、フルに時間を使うのであれば、最大18周程度の周回が可能となります。 予選が開始された頃、多少、風は納まりましたが、1から2コーナーにかけて大きく横風の影響を受けるようです。それでも、予選開始早々、次々と50秒を切って49秒台を記録するマシンが現れました。5分後No.70 ムーンクラフトMC090の伴貴広が49秒の壁を破って48秒995を叩き出しました。 ライバルと目されたNo.14ZAP F108の服部晃輔は6周目に49秒072を記録します。服部晃輔は20分の予選時間をフルに使って伴貴広を追いますが、結局49秒の壁を破ることは出来ず、僅差の2番手で予選を終了することとなりました。
ポールポジションを獲得した伴貴広のムーンクラフトは、金曜日に新しいパーツを導入した結果、素晴らしい速さを発揮することとなったようです。 今年、西と東の両方のシリーズでの活躍が期待されるNo.7 ZAP F108の山口大陸は、新しいフロントサスペンションを組み合わせて鈴鹿へやって来ましたが、熟成するには少々時間が必要となりそうです。5番手で予選を終了しました。 3番グリッドは、川村和希がアルミニウムシャシーで獲得しました。従来同様、マースがメンテナンスしますが、昨年までと違って2リットルエンジンを組み合わせています。
●1年半ぶりにムーンクラフトが優勝 午後、決勝レースが行われる頃になって、やっと風は弱くなりました。無風とは言えませんが、コーナーリング中に大きな影響を受けることは無さそうです。 決勝レースのスタートが切られると、ポールポジションのNo.70伴貴広のムーンクラフトがトップのまま1コーナーへ飛び込んできました。直ぐ後ろにNo.14服部晃輔のZAPが続きますが、少しずつ離されているようです。 1から2コーナーではNo.14服部晃輔の方が速いようですが、東コース故の最終コーナーではNo.70伴貴広の方が速く、5周目に入ると、No.70伴貴広は独走状態となります。
逆にNo.14服部晃輔はNo.56川村和希の接近を許してしまいます。 優勝候補の一角だったNo.7山口大陸のZAPは、その後方で、No.43上住道人の東京R&DとNo.2 OSAMUのB-MAXと共にテイルtoノーズの接戦を繰り広げています。
No.70伴貴広のムーンクラフトは、4周目に49秒289のベストタイムを記録しながらトップを快走しました。そして、1度もトップの座を譲ることなく23周を走りきって優勝を成し遂げました。2位はNo.14服部晃輔、3位に川村和希が入りました。 ムーンクラフトの優勝は、2010年の東日本シリーズ最終戦ツインリンクもてぎ以来、実に1年半ぶりです。西の開幕戦で優勝したB-MAX、東の開幕戦で優勝したZAPと共に、ムーンクラフトを加えた三強よる、激しい闘いが繰り広げられることとなりそうです。