Nov.04 25台!のF4がエントリー
来週、いよいよ国土交通大臣杯をかけたF4コンストラクターズ日本一決定戦が富士スピードウェイで開催されます。ノンタイトルレースですから、当初エントリーが集まるか心配されましたが、主催者によると、近年の日本のフォーミュラカーレースでは考えられない25台のF4がエントリー申請を行っているようです。 JMIA・UOVAカーボンファーバーコンポジットモノコックを使うマシンは7台が参加します。内訳は、東京R&D RD10Wが3台、ムーンクラフトMC-090が2台、ZAP F108が2台です。エンジンは、戸田レーシング製ホンダK20が6台、トムス製トヨタ3ZRが1台です。
ウルトラハイスピードの富士スピードウェイで行われるレースですから、各コンストラクターやレーシングチームは、速いストレートスピードを目指して開発に余念がありません。 とは言っても、コストを度外視することは出来ませんから、スーパーFJ用の小さなウイングを使う等、涙ぐましい工夫を凝らして速さを追求しているようです。
ランニングコストが安いため、毎週何処かのサーキットで、F4はスーパーFJ等と共に練習走行を行っていますから、既に多くのF4チームが富士スピードウェイでテストを行ったようです。西日本F4シリーズのタイトルを獲得した東京R&Dは、2週間前、富士スピードウェイでテストを行いましたが、偶然ライバルのZAPと顔を合わせました。 この日、他にもいくつかのF4チームが走っていたようですが、登場以来負け知らずのZAPの参加によって、東京R&DとZAPの間で様々な駆け引きが繰り広げられたようです。 ラップタイムについては、使用したタイヤによって大きく変わるため、本当の違いは当事者(ZAPと東京R&D)でなければ判定できませんが、主に富士スピードウェイで成功するポイントである最高速度争いが行われたようです。テストの段階では、小さなスーパーFJ用ウイングを取り付けて走行した東京R&DがZAPを上回る最高速度を記録したようです。
最高速度について忘れてはならないマシンが、ZAPや東京R&DのライバルであるムーンクラフトMC-090です。どちらかと言うとハイダウンフォースマシンと思われていましたが、東日本シリーズ第5戦もてぎ以降ローダウンフォースタイプのボディを投入してから、素晴らしい最高速度を記録するようになりました。 3週間前、岡山で西本直樹の東京R&D相手に西日本F4シリーズタイトル争いを繰り広げた時、吉田広樹の操るムーンクラフトMC-090は、素晴らしい最高速度を活かして西本直樹の東京R&Dの攻撃からトップの座を守り続けました。 このムーンクラフトが、ダークホースであることは間違いないでしょう。
国土交通大臣杯は、西と東の2つのF4シリーズ12戦に、来週富士スピードウェイで行われるスペシャルイベントを加えた計13レースにおいて、もっとも多くの勝ち星を獲得した車種のコンストラクターに与えられます。 現在の国土交通大臣杯獲得レースの状況は、登場以来負け知らずのZAP F108が3勝を上げて、WEST056と共にリードしています。2勝の東京R&D RD10Wと1勝のムーンクラフトMC-090は追う立場です。今週末もてぎにおいて東日本F4シリーズ最終戦が行われますが、もてぎでZAPが優勝した場合、ZAPは圧倒的に有利となります。ムーンクラフトは、もてぎと来週の富士スピードウェイで優勝することが国土交通大臣杯を獲得する条件となります。
鈴木 英紀 著
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